kikurageoisii’s diary

東京のOL23歳 

あかるい花園

仕事とはいえ、ほぼ毎日新宿歌舞伎町に通うようになってから半年以上が過ぎてしまった。

この街で本当の幸せを手に入れている女なんて1割にも満たないんだろう。

路上で蹲って泣いている女を見ても何も思わなくなってしまったし、AirPodsで煩いキャッチはノイズキャンセリング

この街の喧騒は、全員が少しずつしている無理と、すり潰した夢を汚く混ぜて飲み干した絞り汁だなと思う。

水商売は氷が溶けないうちに、なんて言うけれど、売れていく人は氷なんて一瞬で噛み砕いてしまう。牙は鋭ければ鋭い方が生きやすい。

この街で、この通りで、この店で、1番になれない自分が堪らなくもどかしい。どこを避けてもルッキズムやドン臭さが付いて回る。お酒を飲んでいる人間は、審査無しに脳から直接言葉がこぼれ落ちてしまうが故に、残酷でそれでいて真実を言ったりする。ヘラヘラするのが仕事、と自分に言い聞かせて氷が溶けないうちに全てをお酒と共に飲み干す。本来エベレスト並にあるプライドを押し殺して、きっとアホだと思われているのだろうな、アホでいい。と思う心がごく稀に痛い。心の痛みを感じなくなった時この街でこの通りでこの店で1番になれるのだろうか。

街のネオンに照らされてバカになれればそれでいいのかもしれない。

時間と氷だけが溶けていく中、ただ、なにか得体の知れない自分の芯だけは溶かしたくない。

みんながみんな、同じようで別の方向を向いているこの街が私は好きだ。今日も五月蝿いネオンの下を歩く。