2022-12-16 穴 心がどうしようもなくざらつくとき、それがきわめて人間的な、ホルモンバランスのせいだって分かってから、自分の普遍的な憂鬱を愛せなくなった。街の空気のせいでも至って芸術的な感傷のせいでもなく、ただそれは毎月決まって訪れる波だ。制御不能のそいつはただ心を掘り荒らして去って行く。私はその穴に嵌っていく。多分、変わった人でいたかった。痛かった過去の感情が全て型にハマっていく。