kikurageoisii’s diary

東京のOL23歳 

彼女

逃避行ものが好きだ。

現実離れした浮遊感と、不謹慎なワクワク感と、常に付きまとう終わりの気配に終始振り回されるスリルがある。

日常を大幅にぶっ壊すと、人は異常に楽しくなるのだろうか。

諦めきれない何かがあり、正常への未練が尾を引いたまま、前へ進む道を壊しながら壊れたゴールに向かっている主人公達が愛らしい。

進めば進むほど状況が悪くなるレースなんてそうそう無い。思い切りの良さと、愛の力だけでは逃げきれない事なんて本人達が1番分かっていて、でも、この瞬間が永遠に続けば良いと共に思える人が隣にいるなんて、映画みたいだ。だからこそ映画なんだけれど。

罪と秘密の共有が人間と人間の間にとって1番強力な接着剤料となるのかな。どんなに愛していても覆せないものは沢山ある。お互いの環境の違いや受けてきた愛の大きさやトラウマの有無。意志と自我と自尊心を持った人間である以上、愛の隣に嫉妬が鬱陶しくも付き纏う。日常を優に超える非日常が起こった時、嫉妬もお互いの環境も車から放り出して、ご機嫌な音楽と愛と一緒に逃避行のドライブが始まってしまう、そんな時が、人生にあったら面白そうだな。