kikurageoisii’s diary

東京のOL23歳 

明かりと光り

31階からの夜景はやけに綺麗で、その明かりの一つ一つに人がいることに些か嫌気がさした。

東京だ、と思った。

東京で生きる27歳なんて沢山いるのに自分が一番明かりをうまく灯せていないような気がした。

 

去年まではそんな事全然無かったのに、金木犀の香りを前回感じたのが一年前だなんて信じられないくらいに季節は早く周って私のところに来た。

まだ特に大きなイベントもないのだけれど、というより決断出来るほど心が完成していないのだけれど、27歳に近付けば近付くほど人生の岐路に立たされている気がする。

常に私の人生に薄らとある「このままでいいのだろうか」を毎日感じて痛い。

なんだか全ての決断や状況がまずいように感じてしまう。

周りの友人らは結婚や転職を次々とこなしているのに、私だけ行き先のない急行電車に乗ってしまって降りる駅も分からず、通り過ぎる駅を降りる事も出来ずにいる迷子のようで、金木犀の香りを嗅いでも焦るばかりである。

 

こういうのも全部秋のせいだと思うことにするけれど、見るもの一つ一つに感情を燃やすせいで突然涙が溢れ出たりするし、言葉が乱立して羅列されて空中分解していく。

 

私の秋はいつも少し鬱っぽくなってしまって、その空気全体に漂う「もういいよ全部」を噛み砕きながら日々仕事して生きていく。大人だから。

 

31階の無数の小さな輝く光の中で食べた中華はちゃんと美味しくて、人生なんて好きな人と幸せに生きればいいのかな、とも思った。

 

あと一周して金木犀の香りを感じる頃には、ちゃんと大人になれているかな。

 

おやすみ、こわい夢をみないように。