kikurageoisii’s diary

東京のOL23歳 

美人

ここのところ、毎日欠かさずに腹筋と二の腕の筋トレをやっている事だけが私の僅かな自意識を支えている。

ルッキズムとか若さとか自己顕示欲とかそれに伴う自己肯定感とか、何だか全て分からなくなってしまってSNSにあまり自分を載せられなくなってしまった。

お店に立っているから、自分の写真を載せた方がお客さんが来やすいかな?というか来てくれないかな、なんて邪な気持ちでひたすらに自撮りをアップしていた。

可愛いなんて思わない。自分が中の下くらいであることを知っている。またはもっと下かもしれない。でも、あまり好きではない自分の顔が、アプリによって加工されて少し理想の顔に近づいた時は嬉しくて見てもらいたかった。

実際、SNSの写真を見てお店に来てくれる人もたまに居たりする。

疲れる。人間が意識だけの存在にならないかな、なんて思う。

時たま、偶然撮られた写真がリツイートされまくって、美人!と騒然となっている様子を見る。

犯罪者でさえ、美人であれば瞬く間に顔写真が拡散されて、許してあげて!なんて馬鹿な声で溢れる。

私が一生懸命仕上げた渾身の1枚は、美人のなんて事ない一瞬の切り抜きに秒速でかき消される。

赤の他人に賞賛されて人生が少しでも変わるような容姿だったらな、と思う。美人は美人で辛いのかもしれないけれど、そうでない人の方が辛い。辛さに妬みも混じって心までも醜くなる。

男性に比べて容姿で判断されることが多い女性であるからなのか、そういった幼い美の基準に日々振り回されて心をすり減らすことをやめられない。整形がやめられない人の気持ちが分かる。鏡の前で泣いた事が何回もある。醜いことが嫌で出掛けられなくなったことがある。笑われる気がして、外で買い物出来なくなったことがある。誰にも見られたくなくて、道路の端しか歩けなくなったことがある。分からないだろうな。容姿で悩むことを低脳だと嘲笑する人には分からないだろうな。

私は可愛い人と言われたいのかな。分からない。

分からなくなってしまった。